週刊あはきワールド 2021年12月1日号 No.740

Dr.シノハラの鍼灸徒然草 第56話

鍼治療が無効だった膝関節骨壊死の症例

~膝が痛いんです~

九州看護福祉大学鍼灸スポーツ学科 篠原昭二 


◎過去記事≫≫  もっと見る

膝が痛むんです!

 65歳、女性。主訴:#1:左膝関節痛、#2:肩こり。身長157cm、体重53kg。

現病歴
#1 4カ月前から思い当たる原因もなく左膝の痛みが生じ、その後徐々に痛みが強くなり、近医整形外科を受診したところ、大腿骨下端内側の骨壊死を指摘された。外科手術を勧められており、鍼灸で治らないかと受診したとのこと。膝関節は安静時にも重だるさを感じており、体重をかけると痛み、起坐動作時にはかなり痛みを自覚する。10月12日に整形を受診した時300ccの排液および局所麻酔剤とステロイド(消炎剤)の注入を受けた。しかし、11月2日受診時には、450ccとさらに増加するとともに、自覚的な痛みも増加しているように感じる。

#2 自営業(喫茶店)をしており、物を運んだり、荷物の整理など忙しく、肩こりがひどい。頚部の運動制限や上肢への神経症状はない。しかし、日常生活に支障が出るほどではない。

現代医学的病態
#1 膝関節部の熱感があり、他動的に屈伸しても痛みはないが、起坐動作時では鈍痛がある。膝蓋骨上縁の上2cm(膝蓋上包部)の周径を見ると、右:37cm、左:40.1cmと明らかに腫脹があり、膝蓋兆動は腫脹のためにかえって分かりにくい。膝関節部の温度分布を赤外線サーモグラフィーで測定したところ、明らかに左膝蓋骨から鷲足部にかけて高温域が見られた(図1)。膝関節周囲はどこも圧痛があり、特に熱感の高いところが顕著であった。→膝関節の炎症症状が強い
 

(続きはログイン・ご購読後にお読みいただけます)

この記事の続きをお読みいただくためには、週刊『あはきワールド』(有料コンテンツ)のご購読手続きが必要です。

ご購読の申し込み ログイン(ご購読済みの方はこちら)




トップページにもどる