週刊あはきワールド 2021年12月15日号 No.742

全力で治す東西両医療 第58回

痹証の臨床推論

~膝痛の治療は苦手の人が多いけど⑨~

 (1)石川家明(2)木村朗子(3)平岡遼 


◎第57回 痹証の臨床推論
       ~東洋医学の証名や病名は、西洋医学的にみても大事⑧~
       (石川家明・木村朗子・平岡遼)
◎第56回 痹証の臨床推論
       ~五体痹と五臓痺について⑦~
       (石川家明・木村朗子・平岡遼)
◎第55回 痹証の臨床推論
       ~痹証と診断するにあたって⑥~
       (石川家明・木村朗子・平岡遼)
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(1)石川家明:TOMOTOMO(友と共に学ぶ東西両医学研修の会)代表
(2)木村朗子:ともともクリニック院長
(3)平岡遼:ともともクリニックレジデント
 
 伝統的に東洋医学は体全身を診るシステムであるのが幸いして、関節痛で治療においでになっても、全身性疾患であるリウマチ性疾患などを早期に発見できるメリットがあります。また鍼灸学で言えば、経絡が縦に走行しているので、経絡病証を日常に意識していれば、どうしても頭のてっぺんからつま先、もしくは手先までを診ざるを得ないので、一通りのスクリーニングとして身体全体の診察になりえます。前回は変形性膝関節症(膝OA)か、それ以外か、の鑑別に痹証の観点から話が進みました。今回はさらに膝診療についての話が深まります。

■膝痛の治療は苦手の人が多いという

平岡膝の治療が不得意な鍼灸師が多いとの話は聞いていましたが、その理由が少し分かりかけてきた気がします。

木村膝痛や腰痛は整形外科医だけではなく、プライマリ・ケアレベルでよくいらっしゃる患者さんですので、治療者であるならば日常的に診ることになるかと思いますが、確かに苦手としている治療者が多いようですね。

平岡いつか医大生が研修に来たときに、彼は病院実習で膝OAの診察にふがいなさを感じて不満そうでした。

木村彼は当時5年生でした。膝痛をちゃんと診ていないと。治療者は、訴えはよく聞いているようだけど、だましだまし膝痛患者に接しているようだと感じたようで、それを彼は「カッコワルイ」と言っていました。それで、膝痛の「カッコイイ」診かたを教えてほしいと言って研修にやってきました。

平岡専門以外の先生はやはり膝痛は苦手なのでしょうね。

木村特に高齢者はどの科でも診なくてはいけません。膝痛、腰痛は日常病で多いですからね。

石川日常病でそれに気づくなんて、学生としてはなかなかセンスあるなと思いましたよ。

木村膝痛を「カッコイク」診るという言葉に、彼が求めている医療の理想が垣間見られた気がしました。

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