週刊あはきワールド 2021年12月22・29日合併号 No.743

あはきメンタル~《からだ》と《こころ》の寄り添い編 第24回

非日常下におけるあはき師のための心理学

~神田橋條治先生の文献を読む(4)~

あはき心理学研究会顧問 奈良雅之 


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 忘年会の季節になりました。普段、健康であるかどうか、意識することがない人も、呑みすぎなどで体調が悪くなると、健康のありがたさを強く感じるのではないかと思います。また、日常の中で、ストレスフルな出来事などが生じると、体の健康状態に加えて、心の健康状態が一過性に低下した経験をもつ人もいらっしゃるのではないでしょうか。

 神田橋先生が「心の健康を保つために」という題で講演を行ったときのこと、「心が健康であるというのはどういうことか」という質問を受けたそうです。訊かれてみれば、よく分からない。でも、私たちは、身体はさておき、心が健康だろうかとはあまり悩まない。しかし、精神を病んでいる患者さんの中には、「明確にしてもらいたい。どこかに確かなものがないかなあ」と感じる人もいることから、「悩んで不安が高いときには、はっきりしたことで安心を与える必要がある」ということへの気づきを述べています。

 2021年10月に実施した研究会では『神田橋條治 精神科講義』の第5章「私たちの精神健康法」(p.63~78)を輪読しました。ここでは、その概要と参加者のコメントの内容を紹介し、筆者なりの解釈を提示してみたいと思います。

1.悩んでいるときははっきりしたものがあると安心する

 神田橋先生は、「私たちの精神健康法」を考える上で、第一に重要なこととして、「安静」「安心」を挙げています。患者さんが「先生、いつ退院でしょうかね?」とか言うときに「そりゃあ分からんよ」「そのうちだろうね」と曖昧に言うよりも、具体的に示した方が患者さんは安心するというのです。
 

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