週刊あはきワールド 2022年1月12日号 No.745

しくじり症例から学ぶあはき臨床 その14

小さな親切、大きな負担

玉村鍼灸治療院 玉村彰一朗 


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 皆さんこんにちは。

 今回は『しくじり症例から学ぶあはき臨床』ということで、私のしくじりについて書かせていただきます。少しでも皆様の学びに変えていただければ自分の失敗も報われます。

 では、よろしくお願いいたします。ご笑覧ください。

はじめに

 本題に入るその前に。

 そもそもの話として、ほとんどのしくじりは自分では気づかないものです。なぜなら、しくじりをしてしまった患者さんは大抵の場合、その理由を告げずにもう来なくなるからです。

 たとえば、皆さんがとあるラーメン屋に入ってひどい接客を受けたとします。あるいは出てきたラーメンが物凄くまずかったとします。そんな時、店員に面と向かって、「接客がなっていない」とか、「ラーメンがまずい」なんて言わないですよね。

 黙ってお金を払って店を出て、「もう二度とここには来るまい」と心の中で思うだけではないでしょうか。

 治療院も同じです。自分では気づかずひどい対応や治療をやってしまったとしても、ほとんどの患者さんは指摘してくれません。ただ来なくなるだけです。ですので、大抵の場合なぜ来なくなったのか分からない。「何か失敗したのかな」とある程度の目星をつけて考えることはできても、どこがどんなふうにまずかったのかを正しく知ることができない。つまり具体的な修正がしにくいのです。

 また、しくじったためではなくても突然来なくなるケースが間々あります。以前に突然来なくなった患者さんが数年ぶりに来院されて、「あの時はもう痛みがなくなったから行かなかった」と告げられたことがありました(だったらそれをその時に教えてよ!)。こうなるといよいよ反省がしにくいです。

 しくじりに気づけたということは、兎にも角にもそれだけで非常にありがたいことなんです。覆水盆に返らず。そのしくじりはもうどうしようもないのですから、そこから反省して次に生かすしかない。

 ですので、しくじりから学ぶ前にまずは常日頃の心得として、自分の所作にはできる限り注意を払ってください。具体的には、挨拶や対応の仕方、カーテンの開け閉め、タオルのかけ方、鍼の抜き忘れのチェックなどですが、要するに治療院での行動全てです。歩き方なんてのも意外に大事です。結構見られています。忙しい時や、自分がイライラしている時など、自分では気づかずにぞんざいな行動や態度を取ってしまうものです。そしてこういった所作のしくじりは意識さえしていれば初心者でも防げます。

 前置きが長くなってしまいましたが、本題に入ります。お話する内容は経験不足、治療の技術力不足によるしくじりです。

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