週刊あはきワールド 2016年8月10日号 No.485

インタビュー ISO/TC249,TC215は今? その2…形井秀一氏に聞く

灸機器領域の国際標準化の現況

 【聞き手】あはきワールド編集人 


 ISOにおいて伝統医学領域の国際標準化が行われているが、さる6月(6~9日)、第7回全体会議(ローマ会議)が行われた。弊マガジンでは、このローマ会議に参加した各分野(鍼機器、灸機器、鍼灸安全ガイドライン、医療情報)の日本の担当者にそれぞれの領域における国際標準化の現況についてインタビューを試み、「インタビュー ISO/TC249,TC215は今?」シリーズとして掲載している。前号では木村友昭氏に「鍼機器領域の国際標準化の現況」について聞いたが、今号では第2弾として、形井秀一氏に「灸機器領域の国際標準化の現況」について語ってもらった。

その1…木村友昭氏に聞く 鍼機器領域の国際標準化の現況
その2…形井秀一氏に聞く 灸機器領域の国際標準化の現況
その3…新原寿志氏に聞く 鍼灸安全ガイドラインの国際標準化の現況
その4…斉藤宗則氏に聞く 鍼灸領域の医療情報の国際標準化の現況

★参考
インタビュー JLOM関連委員会委員長・東郷俊宏氏に聞く
 

形井秀一(かたい・しゅういち)

1979年、東洋鍼灸専門学校卒業。1981年、筑波大学理療科教員養成施設卒業。2005年、筑波技術大学保健科学部教授(現在に至る)。2010年、同大大学院技術科学研究科教授兼務(現在に至る)。1992年、医学博士。専門分野は鍼灸医学、産婦人科の鍼灸、泌尿器科の鍼灸、社会鍼灸学、鍼灸触診学、灸領域全般。所属学会は、日本東洋医学会(代議員、編集委員)、全日本鍼灸学会(参与)、日本伝統鍼灸学会(会長)、東方医学会(評議員、学術委員)、社会鍼灸学研究会(代表)、日本経絡経穴研究会(代表)、等。

 

ISOの会議に関わるようになった経緯

―― 形井さんといえば、WHOの標準経穴部位の国際会議の時からISOまで、国際会議における日本代表の顔という感じですが、WHOだけでも大変だったろうに、どのような経緯でISOの会議にまで関わるようになったんですか?


形井秀一氏
形井TC249が始まった2009年前にも、WFAS(世界鍼灸学会連合会)でも鍼や灸の学術的な標準化案が出ていて、WFASの灸の標準化には関わっていました。

 実は、2009年以前に、韓国主導で鍼の国際標準をISOに申請しようという動きがあり、ソウルでの会議に山下仁先生(森ノ宮医療大学)と出席して、中国、オーストラリアなどと、検討をしました。しかし、韓国案は注射鍼の委員会に提案したため対象外として却下されたと聞いています。その動きを見て、中国は2009年にISOに、鍼の案件を検討する新たな委員会を発足させるように動いたのです。その状況には、JLOM(日本東洋医学サミット会議)やWFAS(世界鍼灸学会連合会、後に、ISO/TC249のリエゾンとなる)を介して情報を入手し、関知はしていました。ただ、その頃のISOはまだ鍼がメインで、東郷俊宏先生(東京有明医療大学)や木村友昭先生(同大学)などが中心で動いており、私はやや外部的な関わりでした。ところがその後、ISO/TC249のワーキング4(WG4)で Moxibustion deviceの提案が出され、原料となるモグサについても標準化の動きが出てくることが予測されるようになり、その頃から関わりが強くなりました。

ローマ会議で新たに検討された灸に関する2つの案件

―― そういう経緯があったんですね。さて、6月に開催されたローマ会議ですが、形井さんが担当した案件はどういったものだったんでしょう?
 

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