週刊あはきワールド 2016年8月17日号 No.486

インタビュー ISO/TC249,TC215は今? その3…新原寿志氏に聞く

鍼灸安全ガイドラインの国際標準化の現況

 【聞き手】あはきワールド編集人 


 ISOにおいて伝統医学領域の国際標準化が行われているが、さる6月(6~9日)、第7回全体会議(ローマ会議)が行われた。弊マガジンでは、このローマ会議に参加した各分野(鍼機器、灸機器、鍼灸安全ガイドライン、医療情報)の日本の担当者にそれぞれの領域における国際標準化の現況についてインタビューを試み、「インタビュー ISO/TC249,TC215は今?」シリーズとして掲載している。前々号では木村友昭氏に「鍼機器領域の国際標準化の現況ISOにおいて」、そして前号では形井秀一氏に「灸機器領域の国際標準化の現況」について、話を伺った。第3弾の今回は、新原寿志氏に「鍼灸安全ガイドラインの国際標準化の現況」について語ってもらった。

その1…木村友昭氏に聞く 鍼機器領域の国際標準化の現況
その2…形井秀一氏に聞く 灸機器領域の国際標準化の現況
その3…新原寿志氏に聞く 鍼灸安全ガイドラインの国際標準化の現況
その4…斉藤宗則氏に聞く 鍼灸領域の医療情報の国際標準化の現況

★参考 インタビュー JLOM関連委員会委員長・東郷俊宏氏に聞く
 

新原寿志(しんばら・ひさし)

1994年、明治鍼灸大学卒業。1999年、同大学院修了(博士号取得)、同年、同大学鍼灸学部基礎鍼灸学教室(教授 尾崎昭弘)助手。2015年、明治国際医療大学(旧 明治鍼灸大学)鍼灸学部および同大学院鍼灸学研究科准教授(現在に至る)。専門分野は鍼灸の安全性、鍼灸と筋循環。所属学会は、全日本鍼灸学会(学術研究部安全性委員会委員長)、日本温泉気候物理医学会、日本東洋医学系物理療法学会。日本東洋医学サミット会議(JLOM)ISO/TC249対策会議委員、ISO/TC249委員会2委員、WG3主査(現在に至る)。

 

ISOの会議に関わるようになった経緯

―― 新原さんの場合、どうしてISOの会議に関わるようになったんですか。経緯を簡単に説明していただけますか?


新原寿志氏
新原一昨年の秋に、東京有明医療大学の東郷先生からご相談を受けたことがきっかけです。東郷先生はISO/TC249に対応するための組織である日本東洋医学サミット会議(JLOM)の事務総長です。

―― 東郷さんからの相談の内容とは――。

新原ISO/TC249で韓国から鍼領域の感染制御に関する提案が出されており、日本の伝統的刺鍼法(押手)を禁止する国際規格ができるかもしれないので、協力してほしいとのことでした。他にも問題の案件があったのですが、一番の問題はこれでしたね。

―― そもそもなぜ、東郷さんは新原さんに白羽の矢を立てたんですかね?

新原なぜ東郷先生が私に相談されたかというと、私が当時(現在も)全日本鍼灸学会研究部安全性委員会の委員長であったからということもありますが、同じ大学と大学院の同窓生であり、当時から仲良くさせていただいていたこともあります。

―― そういえば、東郷さんも明治鍼灸大学(現明治国際医療大学)出身でしたね。お二人は同窓生だったんですか。

新原はい、そうなんですよ。実は僕の方が先輩!今では立場が逆ですが……。

治療や教育に関わることは国際規格化しないはずなのに…

―― では、本題のローマ会議で、新原さんが担当した案件について説明していただけますか?

新原現在、ISO/TC249では、5つの分科会(WG)に分かれて国際規格が作られているのですが、全体的な決めごととして、治療(clinical practice)や教育に関わることは扱わないことになっています。ところが、WG3では中国が安全使用(safe use)という言葉を持ち出し、道具(医療機器)のみならず安全な治療法までも国際規格化しようとしています。

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