週刊あはきワールド 2016年8月17日号 No.486

全力で治す東西両医療 第6回

バイタルサインは生きているサイン(4)

~意識障害の症例から考える~

山田整形外科・胃腸科・肛門科 鍼灸師 荒川和子 


◎第5回 バイタルサインは生きているサイン(3)
      ~鍼灸学生の疑問に答える~(荒川和子、対談:平岡・小泉・木村)
◎第4回 バイタルサインは生きているサイン(2)
      ~89歳女性のケースから考えてみよう~(木村朗子、対談:石川家明)
◎第3回 バイタルサインは生きているサイン(1)
      ~89歳女性のケースから考えてみよう~(木村朗子、対談:石川家明)
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 内閣府の発表によると、平成26年時点での日本の高齢化率が26%となり、さらに総務省の平成25年版情報通信白書では、高齢化率の上昇は2025年には約30%、2060年には約40%に達するとされています。それに伴い、私たち鍼灸師の治療対象に高齢者は多く、また中には在宅で最期を迎えようと緩和ケアを取り入れている方もいらっしゃいます。

 今回第4回目を迎えるバイタルサインについては、極めて重要な病態把握の糸口であると学んできましたが、鍼灸師が、私自身が、当たり前のように評価をして、その病態を理解し紐解けるようになりたいと常々考えています。

 今回は、在宅で緩和ケアを受けている患者さん、外来で鍼灸治療を受けている患者さん、いずれも高齢であるお二人の症例について、意識障害に着目をしてみていきたいと思います。

【座談会参加者】
平岡遼(鍼灸学生3年 鍼灸師予定)
木村朗子(ともともクリニック院長 医師)
石川家明 (TOMOTOMO友と共に学ぶ東西両医学研修の会代表)

意識障害について

 まず、意識障害について簡単に復習していきます。意識が正常というのは、自分自身と周囲の環境や状況をしっかり把握できている覚醒した状態で、外界に対して適切に反応できることを指すと、第4回で学びました。

 意識障害の原因は多岐にわたりますが、病態から考えると大きく脳自体か脳以外の疾患かに分けられます。いずれにしても深刻な状態であるため、意識障害の鑑別疾患に漏れがないように、また意識障害の原因がはっきりしないときには、AIUEO TIPSという便利なツールを利用しましょう。私は、一度覚えてはまた忘れて、を繰り返していますが、何度も復習しながら使用しています。

 意識障害のアセスメントにはJCSやGCS等を用います。このスケールを用いることで、意識障害の評価を共通化し、ほかの医療者に状態を簡潔に伝え、記録することができます。しかし、JCSやGCSなどの評価スケールが状態全てを把握できるものではないため、ほかのバイタルサインとの相互関係が重要です。意識だけを確認すればよいわけではありません。意識障害のあるような状態では、特徴ある呼吸パターンを呈することがあります。それらの呼吸について、これから解説していきます。
 

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