週刊あはきワールド 2016年8月17日号 No.486

在宅ケア奮闘記 その116

Aさんはなぜ電気代に負けてしまったのか?!

~83歳になる独居のAさん、危惧していた熱中症になる~

訪問リハビリ研究センター代表 西村久代 


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西村、Aさんの娘さんに本気で怒られる

 83歳になる独居のAさん。膀胱の癌があり、要介護は3である。認知があって脊椎の狭窄症で腰が痛く、円背で肘も膝も屈曲したままである。ベッドを中心とした生活を送っているのだが、部屋の中は手すりなどを伝いながら器用に動きまくっている。焦って手を滑らせて転倒し、時々顔に青あざを作っている。

 冗談で「娘さんに叩かれた?」と問うと「叩かれた?」「転んだ?」「叩かれた?」「??」。自分でもわからなくなってしまう。時々娘さんが来ているので娘さんにも冗談で聞いてみた。

 「先生、冗談でもそんなこと言うのやめてくださいよ。この間の訪問調査の時に『娘が叩いた』と言っていました。先生が教えたんですね」と本気で怒られた。

 冗談がAさんには通じない。私との会話なんて記憶していないのかなぁと思っていたら、変なところだけは覚えていて、娘さんには悪いことをしてしまった。

Aさんは普段クーラーをつけないので、
ヘルパーさんも私も来たらクーラーをつけ、消さずに帰っていた

 朝はヘルパーさんが着替えとか朝の整えをして食事の用意を提供し、後片づけや掃除洗濯などを行い、夕方ヘルパーさんがまた食事を用意して片づけて帰る。

 食事は朝夕の2回。日中時々娘さんが様子を見に来て、私も週3回治療を担当している。治療もするが水分補給の監督も担当している。

 Aさん宅は大概クーラーのスイッチがついていない。暑い外から入っていくとジメッとした重たい湿度をたっぷり含んだ酸素が少し少なめかと思える部屋に入らなければならない。灼熱の熱帯地域になってしまった現在の日本の気候に抵抗するために、娘さんとの協議の結果、ヘルパーさんは来たらクーラーをつけて、消さずに帰る。私もクーラーをつけて消さずに帰る。“設定温度は27度”と取り決めをした。
 

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