週刊あはきワールド 2016年9月7日号 No.488

◎◎はこう治す! 私の鍼灸治療法とその症例 File.29-1

アレルギー性鼻炎はこう治す!(その1)

~花粉症を中心としたアレルギー性鼻炎の鍼灸治療~

万松寺鍼灸治療院不老閣院長・万松寺鍼灸勉強会梁山主席講師 伊藤和真 


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はじめに

 アレルギー性鼻炎は日本で問題になっている。ニュースでも花粉情報が流れるほどである。著者の知り合いの中にも花粉症やアレルギー性鼻炎の人たちがいる。私も中学生ごろまで花粉症であった。

 アレルギー性鼻炎には分類としては、感染性、過敏性非感染性、刺激性、その他の4種類ある。(表1)

表1 鼻炎の分類
感染性
 a.急性鼻炎
 b.慢性鼻炎
過敏性非感染性
 a.複合型(鼻過敏症)
  ⅰ)アレルギー性:通年性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎
  ⅱ)非アレルギー性:血管運動性(本態性)鼻炎、好酸球増多性鼻炎
 b.鼻漏型:味覚性鼻炎、冷気吸入性鼻炎、老人性鼻炎
 c.うっ血型:薬物性鼻炎、心因性鼻炎、妊娠性鼻炎、内分泌性鼻炎、寒冷性鼻炎
 d.浮腫型:アスピリン過敏症
 e.乾燥型:乾燥性鼻炎
刺激性
 a.物理性鼻炎
 b.化学性鼻炎
 c.放射線性鼻炎
その他
 本内容は『鼻アレルギー診療ガイドライン2002年度版』より引用した。

 一般的にいわれるアレルギー性皮膚炎は、過敏性非感染性のa.複合型(鼻過敏症)のⅰ.アレルギー性に分類される。このⅰ.アレルギー性は通年性アレルギー性鼻炎と季節性アレルギー性鼻炎に分類される。通年性アレルギー性鼻炎は、1年を通じて起こるアレルギー性鼻炎である。通年性アレルギー性鼻炎が増加している原因は、高気密・高断熱構造の住宅が増えたことにより、ハウスダストやダニが増加したことなどが考えられる。1988年の全国調査では、通年性アレルギー性鼻炎の有症率は19.8%であった。

 季節性アレルギー性鼻炎は、ある季節に限定して起こるアレルギー性鼻炎である。我が国では春のスギ花粉を主原因とする、花粉症と呼ばれる疾病である。季節性アレルギー性鼻炎が増加した原因は、第二次世界大戦後にスギの植林が進められたことがあげられる。加えて食生活の変化として、動物性タンパク質や脂肪の摂取量が多くなったこと、それにより体内での抗体産生能力が高まったこと、アスファルトの普及により、地面へ落下した杉花粉が繰り返し空中へ巻き上げられること、大気汚染の増加などが考えられている。1988年の全国調査では、スギ花粉が原因である季節性アレルギー性鼻炎の有症率は17.3%であった。花粉症が国民病と呼ばれる所以である。

 今回の発表では、アレルギー性鼻炎に対する鍼灸治療を述べる。

 鍼灸治療を考えると、通年性・季節性の両アレルギー性鼻炎とも、その病態や治療に大差はないと考えるので、同一として述べていく。

 アレルギー性鼻炎の症状は、くしゃみ、鼻漏(鼻水)、鼻閉を中心として、目のかゆみ、流涙が中心である。またそれに加えて咽頭部の違和感や上半身を中心とした皮膚掻痒感、倦怠感、胃腸の不快感、下痢などを発症することもある。アレルギー性鼻炎は鼻や目の症状だけでなく、全身に影響を及ぼす疾患と著者は捉えている。

 著者のアレルギー性鼻炎への鍼灸治療は大きく2種類ある。ひとつは今、起こっている症状に対する治療である。もうひとつは症状を起こさない体にするための治療である。

 以下にそれぞれの治療について記載していきたい。

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